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認知症のコミュニケーション

コミュニケーションにおけるタブー

 介護の拒否や粗暴な言動をされた時など、介護者もつい感情的になってしまうことがあるかもしれませんが、介護者の言動によってはさらに状態が悪化することもあります。このようにコミュニケーションが原因で状態が悪化するのを予防するためのタブーがあります。

頭ごなしの否定や嘲るような態度

 apron_woman1-2angry頭ごなしに否定されたり、嘲るような態度をされるのは誰でも辛いですが、特に認知症の人は、理詰めで説得しようとしても本人にすれば自分の認識が正しいと思っているので、無駄な努力に終わってしまい、単に介護者との溝を広げるだけの結果になることが多いと思われます。

 

強い指示や禁止

 dame_woman「○○して!」「○○しないで!」といった強い指示や強い禁止も不快感につながります。また「早く○○して!」といった急かすような言動も、同様の理由で避けた方が良いといわれています。

 

抑制や抑圧

 徘徊などがあって危険だからと部屋に鍵をかけるといったことが症状悪化の原因になることがあります。また「○○しないで」というように言葉で抑制するのも同様の結果を招く恐れがあります。

嘘やごまかし

 例えば、食事をしたことを忘れて何度も食事を要求する人に対して(実際は食事をした直後なのに)「今作っているので、少し待っていてください」というような対応を繰り返していると、不信感につながってしまう可能性があります。このような場合、「30分前に食べましたが、お腹すきましたか?今、飲み物(お茶やジュースなど)ならご用意できますがどうですか?」というような対応が考えられます。

 ※ 参考(クリスティーン・ブライデンさんの話)

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若年性アルツハイマー病になり『私は誰になっていくの?』という本を書いたクリスティーン・ブライデンさんは、ある講演会でホームヘルパーから「在宅ケアで認知症の人に何をどう話していいかわからない時、どうしたらいいか?」と質問された時、次のように答えたそうです。
 「私たちがより感情の世界に生き、認知の世界を生きることが少なくなっているので、記憶に残るのはあなたが何を言ったかではなく、どんなふうに話したか、ということです。私たちには感情はわかるが、話の筋道はわからない。あなたの微笑み、あなたの笑い声、私たちにふれるあなたの手が、私たちに通じるのです。(中略)何と言っていいかわからない時は、ただそばにいてくれればいい。私たちには言葉よりも、あなたがそばにいてくれること、私たちと思いを分かち合ってくれることが必要なのです。」
(「やさしく学ぶ認知症のケア」編著:長谷川和夫:永井書店から引用)

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