自立支援のための介護に関する知識・情報をお伝えいたします。

認知症の基礎知識

認知機能の理解 ~ 認知症理解のために

認知症の症状にかかわる認知機能とは

 認知症になると認知機能が低下するため、現実の状況を正しく理解し判断することが困難になります。roujin_haikai_woman
 この認知の誤りが現実とかみ合わないチグハグな言動につながります。
 このように周囲の状況を認知するプロセスを認知機能といいますが、高齢者に限らず、人は常にさまざまな状況(周囲の人や環境、場所や物、時間など)の中に置かれています。
 そしてこれらの状況を「知覚」した上で「理解」し、それまでの経験や知識、記憶などに基づいて「判断」をした上で、何らかの言動につなげています。実際にはこれらは一瞬でおこなわれています。
 ここで大切なことは、この認知のプロセスは認知症の原因疾患の進行状況だけではなく、それ以外のさまざまな要因に影響を受けるということです。

認知のプロセス

 例えば「知覚」は視覚や聴覚、味覚などの五感によっておこなわれています。 「理解」と「判断」は、記憶や意識レベル、集中力や注意力などが影響します。
 わかりにくいかもしれませんが、介護施設に入居中の高齢者を例に考えてみましょう。
 朝起きた時に「自分がいる場所は介護施設だ」ということを目で知覚し理解します。介護職員が入ってきて挨拶したら、「この人は介護職員だ」と同じく理解するでしょう。そして介護を受ける時にも、これらのことを理解していれば、拒否することなく介護を受け入れるでしょう(判断と行動)。
 ところが、例えば寝ぼけていて意識レベルが低く介護施設だと理解できなかったり、介護職員だと判断できなかったり、あるいは介護施設に入居していること認知機能・認知のプロセスを忘れていたりというように、自分が置かれている状況を正しく理解できないとすると、介護を拒否するような言動を起こすかかもしれません。
 これは認知症のBPSDの典型的な症状ですが、この例のように認知症の原因疾患が進行したわけではなく、寝ぼけて意識水準が低いということが原因で、このような症状が現れる場合もあります。
 これらのことから、適切な認知症ケアのためには、原因疾患以外の要因も理解することが重要なのです。

 

-認知症の基礎知識

関連記事

脳血管性認知症について

脳血管性認知症とは   脳梗塞や脳出血など脳血管障害(脳卒中)が原因で認知症の症状が現れる …

認知機能からみた認知症ケア

正しく認知できる支援  認知症の症状とかかわりが深い認知機能は、感覚機能や記憶や意識レベル …

脳血管性認知症と介護

脳卒中の再発防止  脳血管性認知症は脳卒中の発作が引き金になるので、脳卒中の再発防止が必須 …

前頭側頭型認知症について

前頭側頭型認知症とは  3大認知症以外で、近年注目されているのが前頭側頭型認知症です。これ …

アルツハイマー型認知症と介護

 アルツハイマー型認知症は、レビー小体型認知症や前頭側頭型認知症のような特異な症状はなく、 …