食事介助② 食事の際の注意点
できるだけ介助しない
食事はできるだけ自分で摂ること(自力摂取)が望ましいと考えられます。
食事の際は本人が食べ物を認知した上で口腔内で咀嚼(そしゃく)しますが、この時寝ぼけていたりボーっとした状態だったりするとこれらがうまくできません。ところが介助すれば意識レベルが低下していても口の中に食べ物が運ばれるため、誤嚥する危険性が高くなります。
また自分で食べることで食事の楽しさは増しますし、自分のペースで食べることも可能です。
食事は本人の意識がはっきりした状態で、できるだけ自分で摂ることがポイントです。
自助具の活用
食事はできるだけ自分で摂ってもらうことが望ましいので、必要であれば積極的に自助具を活用しましょう。自助具にはいろいろな種類があります。
箸なら滑りにくいものや掴みやすいもの、バネがついているもの等、スプーンやフォークはグリップがゴムでできているものや食べやすい角度のもの等、茶碗や皿もすくいやすい形状のものや底に滑り止めがついているもの等さまざまです。またランチョンマットを使用すると上に置いた食器が滑りにくくなります。
正しい食事姿勢
食事をする時には誤嚥しないよう正しい姿勢で食べる必要があります。膝が90度位曲がって足がしっかり床に着いていること、テーブルは肘が同じく90度位曲がる程度の高すぎず低すぎない高さであること、上体が反らない姿勢で座り少し顎を引いた状態で食べることなどです。
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