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介護と技術

移動介助の基本

移動は生活の基本

 移動は、人が生活する上での基本的な動作であり、食事・排泄・衣類の着脱など、あらゆる日常行為には移動が伴います。そのため、生活の基本でroujinsya_coupleある移動動作を介護することを「移動介助」といい、これが身体介護全ての基本であるということができます。
 移動動作には、「寝返る」「起き上がる」「立ちあがる」「座る」「歩く」の5種類があるといわれています。複雑に見える移動動作も、この5種類の組み合わせで構成されており、介護者は、移動動作ごとの動きを理解し、それに合わせて介護するのが基本です。
 移動介助の方法を考えるにあたっては、次の3つのプロセスで理解しましょう。

人間の自然な動きを理解する

 「人間の自然な動き」とは、人間が成長する過程で培った合理的な動きであり、苦痛の少ない動き方のことです。
 一例を挙げると、イスから立ち上がる時、立ち上がり介助人は直線的に上に向かって立ち上がるのではなく、一旦前かがみの姿勢から、上体が円を描くように立ち上がります。これが自然な動きであり、介護をする時もこの動きに合わせて介助する必要があります。
 また障害によって拘縮や麻痺などがある場合は、そのことを含めた動きがその人の「自然な動き」になります。

重心の移動を考え、危険を予測する

 まっすぐ立っている時、重心は臍(へそ)の下にありますが、両足が床に接地している部分をつなげた面(支持基底面)がこの重心を支えていますmedical_hokouki
 移動する際にはこの支持基底面から重心が外れることがあり、転倒する危険性が高くなります。そのため、移動介助の際は、移動に伴って重心がどのように移動しているかを考え、転倒の危険性を予防する必要があります。
 以上のように、人間の自然な動きと個別の動き、重心の移動による危険性予測を考慮して、適切な介護方法や関わり方を理解して介護するのが、移動介助の基本です。

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