自立支援のための介護に関する知識・情報をお伝えいたします。

介護のコミュニケーション

高齢者の心理的傾向

高齢者の心理的傾向?

 ILM17_CA03007高齢者の介護をおこなう時、高齢者とコミュニケーションをはかることは必須です。
 どのような介助でも、それをする前にこれから何をするのかを告げてからおこなうのは介護の原則でもあります。そこで高齢者とのコミュニケーションを考えるにあたり、相手の高齢者の心理的な傾向について考えてみたいと思います。
 但し当然ですが、心とか心理、精神といったものは、人ぞれぞれで異なりますし、極めて複雑でもあります。そのため全ての高齢者に当てはまるような心理的傾向など無いともいえますが、相手が置かれている状況を考え、そのことに配慮しながらコミュニケーションをとるということは誰もが普通にやっていることでもあります。
 そこで、高齢者が置かれている状況を再確認し、その上で高齢者の心理的傾向を推測したいと思います。

 経験に基づく心理

keizai_fuyuusou 高齢者はその年齢に応じた経験を持っています。その経験は人によって異なるとはいえ、概ね成長しする過程で身体能力や心身機能を獲得し、友人や知人をつくり、結婚して家族をつくり、仕事について社会的地位や経済力、名誉などを獲得したといったものでしょう。
 その過程ではゆるぎない価値観を形成し、成功体験を含むさまざまな経験、社会的役割や家庭内での役割を果たすというようなことも経験しているでしょう。
 このようなさまざまな獲得体験に基づく心理状態を推測すると「自信」や「自尊心」といった心理傾向があると考えられます。

 加齢変化に伴う心理

 ところがojiisan_think一方で、一旦獲得したさまざまなものを加齢に伴って喪失していく経験もしているはずです。例えば多くの身体機能は20歳くらいをピークに低下しますし、高齢者といわれる年齢になるとそれをはっきり自覚するようにもなります。
 さらに退職等で社会的地位や経済力は低下します。また友人や知人、家族を喪う人も出てきます。これらは獲得体験とは逆の喪失体験であり、ここからは「喪失感」や「不安感」を抱いていることが推測できます。

 真逆の心理が混在

 以上のように考えれば、高齢者の心理的な傾向とは、「自信や自尊心」と「喪失感や不安感」という全く逆の心理状態が混在しているのではないかと考えられます。
 これらのことから、高齢者とのコミュニケーションにおいては、「自信と自尊心を尊重すること」と、「不安感や喪失感に配慮すること」が必要だと考えられます。

-介護のコミュニケーション

関連記事

障害がある場合のコミュニケーション

 コミュニケーションに支障がある何らかの障害がある高齢者の場合は、その障害に合わせてコミュ …

自信や自尊心に配慮したコミュニケーション

 高齢者は長年の獲得体験に基づいた自信と自尊心を持っています。このことに配慮したコミュニケ …

言葉の選択

 高齢者の自信や自尊心に対する配慮として、できるだけ指示的な言い方を避けるということを挙げ …

目や耳の病気とコミュニケーション

 特別な病気や障害がなくても、年とることによって自然に現れる老化(機能の低下)があります。 …

不安感や喪失感に配慮したコミュニケーション

 高齢者とのコミュニケーションでは、自信や自尊心に配慮すると同時に、不安感や喪失感にも配慮 …

← 前の記事
言葉の選択