口腔ケア① 口腔機能について
自立支援介護では、水分ケアと栄養ケア、排泄ケアと運動という4種類を基本ケアと呼んでいますが、これらを実践するために必要なのが口腔機能を保つことです。
そのため口腔内の衛生状態を保ち、口腔機能を維持・改善するための口腔ケアがとても重要です。以上の理由により、ここでは口腔ケアも基本ケアのカテゴリーとして解説しています。
口腔機能とは
口腔機能には大きく分けると2つの役割があります。
1つは咀嚼(そしゃく)と嚥下(えんげ)という食事を食べるための機能です。
咀嚼というのは食物を口の中で噛んで砕き、唾液を分泌させて食物とよく混ぜ合わせ、のみ込みやすい大きさの塊にすることです。
嚥下はその塊をのみ込んで食道から胃に送り込むことです。
2つ目の役割は言葉を発する(発声する)機能でコミュニケーションをとる上で重要な役割を果たしています。
食べることと話すことという健康的な生活を営むための大切な機能の一つが口腔機能であるといえるでしょう。
口腔機能低下の弊害
口腔機能が低下すると、食事内容が制限されて普通の食事(常食)を食べることができなくなることがあります。
ところが粥食や刻み食、ソフト食など常食以外の食事形態はどうしても食べる量が不足しがちで、長く続けると体力や免疫力の低下につながる危険性が高くなりますし、何より食事をする楽しみが半減します。
また話すことが難しくなると、周囲とのコミュニケーションが阻害されて、閉じこもりがちになったり活動性の低下を招いたりすることから廃用症候群にもつながりやすくなります。
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