自立支援のための介護に関する知識・情報をお伝えいたします。

介護の基本ケア

栄養ケア③ 低栄養の弊害

 低栄養になるといくつかの深刻な弊害が現れます。

体力と抵抗力の低下

 roujin_ikigire_manアメリカにおける研究では、低栄養状態は病気の回復を遅らせ、合併症を併発する率や死亡率が高くなるという研究結果があるそうです。
 また低栄養の弊害としてよく挙げられるのは、体力の低下と抵抗力の低下です。低栄養状態だと、疲れやすく、動くのが辛い、おっくう(体力の低下)、あるいは風邪等の感染症に罹りやすくなり、軽い風邪が肺炎に悪化する等の可能性が高くなる(抵抗力の低下)などの弊害が現れます。

廃用症候群を招く

 低栄養で体力が落ちると、より一層活動性の低下を招く結果になりやすく、それが廃用症候群につながり、さらに食欲の低下を招くというように、悪循環に陥ってしまうことが多くあります。一旦悪循環に陥ると、そこから抜け出すのは大変なので、できるだけ低栄養にならないよう、しっかり食事を摂る必要があります。
(⇒ 介護に不可欠!「廃用症候群」の知識

褥瘡の発症や悪化を招く

tokozure_nurse (1) タンパク質の不足は浮腫等の皮膚の異常につながり、寝たきりの状態であれば褥瘡(じょくそう)になりやすくなります。
 褥瘡は、低栄養状態のままで治療するのは困難だと考えられるようになってきました。従来の褥瘡予防のケアである「(寝たきりのまま)エアーマットを使用して定時の体位変換をおこなう」という方法では褥瘡の改善は困難で、低栄養状態が加わるとさらに困難さが増します。
 最近では、褥瘡の予防と治療のためには、「適切な栄養摂取」と「離床して生活すること」をセットにして介護することが最も有効な方法と考えられています。
(⇒ 褥瘡について
(⇒ 褥瘡と介護

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