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介護の基本ケア

栄養ケア① 低栄養について

低栄養とは

 低栄養とは栄養失調ともいいますが、エネルギーやタンパク質などの栄養素が、身体が必要とする量に達していない状態をさします。
 成人は栄養の摂り過ぎによる肥満に注意が必要といわれることが多いという印象がありますが、高齢期になってからは肥満より低栄養に注意する必要があることが多いといわれまshinpai_ojiisanす。
 低栄養の定義は統一していないようですが、東京都総合老人研究所では血清アルブミン値3.8g/dlを基準として、それ以下を「低栄養」と考えることを提案しています。
 通常はBMIが18.5未満の人や、半年くらいの短い期間に2~3kg以上の体重減があった等の場合は、低栄養状態にある可能性が高いと考えられます。

高齢者は低栄養に注意

 自宅で生活する高齢者のうち1/3の人が低栄養状態にあるという調査研究や、厚生労働省が血清アルブミン値と体重減少率を指標にして栄養状態を調べた研究では、入院患者や入所および在宅療養者の約3割~4割に低栄養の高齢者が確認されたそうです。
 尚、タンパク質とエネルギーが充分に摂れていない状態のことを、PEM(Protein energy malnutrition:タンパク質・エネルギー欠乏症)といいますが、高齢者は特にPEMが問題となっていて、寝たきりの人はその割合が高いといわれます。

低栄養の兆候

 介護者が高齢者の低栄養を早期に発見するためには、定期的(最低でも月1回)に体重を測って体重の増減とBMIに注意を払うのが有効です。roujin_ikigire_man
 また、以前に比べて痩せた(体重を測ると2~3kg減少した、以前より痩せたように見える)とか頬がこけた、顔色が悪くなった、体にむくみがある、目の下に隈がある、眼の下が窪んだというような兆候があれば、医療機関を受診するか、管理栄養士などの専門家に相談する等が必要な場合があります。

※血清アルブミン値:血清アルブミンは、肝臓で合成されるたんばく質の一種で、肝臓や腎臓の働きが衰えると低くなりますが栄養状態が悪いことでも低下します。成人の基準値は0~5.1g/dlですが、加齢とともに低下します。

※BMI:Body Mass Indexの略で世界共通の肥満度の指標です。BMIは、体重(kg)/身長(m)の2乗で求められます。例えば身長が160㎝で、体重が55kgの人のBMIは、55/(6×1.6)≒21.5となります(身長はcmではなくmで計算)。標準値は22で18.5未満は痩せ、25以上は肥満とされています。

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