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介護の基本ケア

水分ケア③ 失われる水分と補う水分

失われる水分

 身体の中の水は、血液として体内を循環し、細胞間を行き来したり、内臓や骨を作ったりして、常に動いていると同時に、さまざまな方法で体外に排出されroujin_ikigire_manています。
 まず、尿や便の排出により、約1,200ml、便からは約100mlの水分が排出されますし、汗をかくことでも水分が失われます。さらに、知らない間に失われていく水分もあります。
 人間の肺や気道は常に湿っていて、呼吸によって水分(呼気)が1日に約400ml失われています。
 また、皮膚からも1日約600mlの水分が蒸発します。呼気と皮膚からの蒸発のことを不感蒸泄といいますが、これだけで1日約1,000mlの水分が排出されます。
 以上を合計すると、汗をかかなくても、1日に約2,300ml水分が体外に排出されていることになります。

補う水分

 身体から失われた水分を補うのは、食事や飲水で外部から補給するものと、体内で脂肪や糖質などの栄養素が燃焼することで発生する水分(代謝水または燃失う水分・補う水分焼水)に分類されます。
 代謝水は1日200~300mlで、食事は内容によって異なりますが約600ml含まれていると考えられます。これを合わせると800~900mlになります。
 身体から失われるのと同量の水分量(約2300ml)を補うには、代謝水と食事に含まれる水分で補った残りの1,400~1,500mlを飲水で補うことが必要ということになります。
 高齢者の場合、活動量によって異なりますが、水分摂取量を制限する必要がある場合を除き、一応の目安として1日1,500mlを水やお茶、ジュース等で摂ることを心がけましょう。

※ 1日の適正水分摂取量については、医療や介護の世界では統一した見解がなく、研究者や研究団体によって推奨している量に差がありますが、概ね1,000~1,500mlを推奨しているようです。ここでは、日本自立支援介護学会が推奨する目安である1,500mlとしています。

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