介護に不可欠!「廃用症候群」の知識
廃用症候群とは
過度に安静にすることや、活動性が低下したことが原因で、さまざまな心神機能が低下することを「廃用症候群」といいます。英語名は「disuse syndrome」なので、直訳すると「不使用症候群」という意味合いですが、和訳されて廃用症候群と呼ばれてきました。
近年になって“廃”という字のイメージが良くないことから、「生活不活発病」と呼ぶ場合もあります。
高齢者にはダメージが大きい
廃用症候群は病気等で長期間安静状態を続ければ若い人にも現れますが、活動性を取り戻すことで容易に回復します。
ところが高齢者の場合には深刻なダメージになることが多いのです。高齢者は病気やケガで入院して安静状態が長くなったり、機能低下や意欲の喪失等で閉じこもりがちの生活を続けたりすることで廃用症候群に陥ります。
例えば、脳卒中の発作で入院し、マヒ等の後遺症が残ったまま退院して、施設や自宅で寝たきりの生活を送っている高齢者は多いのですが、このような状態は、脳卒中やその後遺症が原因で寝たきりなのではなく、廃用症候群による機能低下が真の原因であることが多いのです。 廃用症候群は、本人の自覚が無いまま進行し、いつの間にか起きられない、歩くことができないといった状態になることもあります。
悪循環に注意
一旦廃用症候群に陥ると、機能低下によってさらに活動性を上げることが困難になってしまい、より一層機能低下が進むという悪循環に陥りやすいため、高齢者介護においては、廃用症候群を予防すること、一旦寝たきり等になっている場合は、廃用症候群を改善することをめざして介護することが極めて重要なのです。
関連記事
さまざまな弊害 廃用症候群になるとさまざまな弊害が起こります。例えば、高齢者が絶対安静の …
廃用症候群改善のために 現時点で既に廃用症候群になっている、例えば寝たきりの生活を送って …
- ← 前の記事
- 廃用症候群改善には「基本ケア」が不可欠