自立支援のための介護に関する知識・情報をお伝えいたします。

自立と自立支援

ADLの自立とは

生活に直結するADLの自立性

 ADLが自立しているかどうかは、日常生活を送る上で介護される(人の手を借りる)必要があるかどうかということと等しいといえます。img1-5-1
 そのため、ADLが自立しているかどうかは、本人にとっては非常に重要な問題です。介護する側からすれば、利用者のADLの自立性が向上できる可能性があるのであれば、できる限りそのことを目指した介護サービスを提供する必要があるといえます。
 ADLの自立を考える際、リハビリテーション分野におけるADLについての認識が参考になります。リハビリの分野では、患者さんによっては、訓練の時や診察の時にはできていることでも、病棟や自宅で実際に生活している場面では、それをおこなっていないということがあり、そのことが問題視された時期がありました。つまり、たとえ能力的にはできる動作でも、実生活ではおこなわなければ役に立たないのではないか、という訳です。

できるADLとしているADL

 そこで、リハビリ分野では、「できるADL」と「しているADL」を分けて考えるようになりました。このように、「できる」にもかかわらずしていないADLがある原因は何かと考えた時、訓練室と自宅では廊下の幅や段差の有無等環境が異なるという環境要因、訓練時には頑張ってできても普段やるほどの体力がない、又は訓練時ほど意欲がわかない、自然にできるほど習慣化していない等々の要因が考えられました。
 いずれにしても、このようにできるADLとしているADLとの間にギャップがあるのであれば、「できるADL」の自立性を高めるだけではダメで、日常生活で「しているADL」の自立性を向上させることを目標にすべきだと考えられるようになりました。

日常生活でできることが大切

 このことは、介護の世界でも同様です。一時的にできることだけで、「できる」と判断するのではなく、日常的に継続してできるかどうかが重要です。img1-5-2
 例えば、シルバーカーを押して買い物に行くことができるというケースでも、毎日行くことができる人と、頑張っても1週間に1回行くのが精一杯という人では、ADLの自立性の程度は異なると考えるべきでしょう。一時的にできるADLだけを考えるのではなく、利用者の普段の生活におけるADLの自立性を向上させるためにはどうすべきかを考えることが必要だといえます。

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