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老人性難聴と介護

老人性難聴とは

 人が音や言葉を聞きとる時、外耳から入った音(空気の振動)が鼓膜を振動させ、途中で増幅されて内耳の感覚細胞に伝達され、さらに内耳から聴神経を経nanchouて、脳の聴覚中枢に伝わって処理され、音や言葉を識別し理解するというプロセスを辿っています。
 これらのプロセスのどこかに障害が起こると、難聴の症状が現れます。
 年をとると差はあるものの、耳の組織に萎縮や変性をきたしてきます。このような変化は20~30歳代位から始まるといわれていますが、年齢が進むに従って萎縮や変形が進むため難聴も徐々に進行します。これがいわゆる老人性難聴です。

音が聞き取りにくくなる

 最初は、高音の電子音(ピー音など)が聞こえない等の症状から始まりますが、初期には症状を自覚することは少ないようです。
 症状が進むにつれて、普通の会話も聞き取れなくなる等によって、自覚されるようになります。めまいや耳鳴り等の症状を伴うこともあります。さ行、は行clock_0100、か行などの子音は、高齢者の聴力が低下する高い音域に属するため、「7時(しちじ)」と「1時(いちじ)」の区別がつかなかったり、聞き間違えたりすることがあります。
 また年をとると、音を感知する機能だけでなく、言葉を聞き分ける能力も低下します。そのため、聴覚中枢だけではなく、言語表出にかかわる部位も正常に働かないと、言葉や文章を正しく聞きとる(認知し理解する)ことができないことがあります。
 時々、高齢者が「会話する声は聞こえるが、内容が聞き取れず何を言っているかわからない」というような症状を訴えることがありますが、これは聴覚や聴覚中枢以外の部位の老化が原因である可能性があります。

介護ではゆっくり話すこと

 聴覚の老化が早まることを防ぐためには、できるだけ騒音を避け、生活習慣病の改善を図る等があります。
 老人性難聴の治療では、ビタミン剤やホルモンhochouki_obaasan剤、血流改善剤などが処方されることがありますが、現時点では治癒することは困難です。
 そのため、難聴のために生活に支障をきたしている場合には、耳鼻科を受診して補聴器の使用を検討しましょう。
 老人性難聴がある高齢者とのコミュニケーションでは、高音が聞こえにくくなることを考慮して、甲高い声ではなく少し低めの声で話す、言葉を聞き分けて認知する機能が低下することに配慮して、早口を避けてゆっくり話す、大勢の人がいて騒がしい環境を避けて会話する等の配慮が必要です。
 また、老人性難聴で耳から入る情報が少なくなると、脳への刺激が乏しくなり、脳の老化が進む可能性がある。他人とのつきあいを避けるようになり、閉じこもりがちになることもあるので注意しましょう。

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